2014年9月議会

2014年9月県議会
 高田由一 一般質問 概要記録
議会中継録画
2014620

1.カジノ合法化について

2.消費税増税の県経済への影響
(1)県内の経済状況
(2)再増税について

3.県防災訓練への米軍オスプレイ参加について
(1)南紀白浜空港の自衛隊との共用化の可能性
(2)防災体制への米軍の位置付けと憲法
(3)オスプレイの事故率
(4)飛行ルートと安全配慮

4.殿山ダムの水利権更新にあたって
(1)ダムの耐震検査
(2)ダム決壊時の浸水想定
(3)県道日置川大塔線の改修

5.木材利用の推進
(1)木質バイオマスの利用について
(2)新しい集成材CLTについて


《質問》高田由一 県議
 8月末に日本共産党県議団として、南海トラフ地震対策や木質バイオマス利用などの問題で、高知県に調査にいってまいりました。その成果もふまえて今回、質問をさせていただきます。
1.カジノ合法化について
 和歌山県が平成27年度へむけての政府要望として提出している地方型IR、つまりカジノを中心とした複合観光ですが、「少ない投資金額で大きな経済効果を生み出す地方型IRは地域振興の起爆剤として有効」として、白浜のような地方の観光地でもカジノ施設を設置できるよう求める内容になっています。
 国会でもカジノの国内での開設を合法化する法案が、秋の臨時国会で審議されようとしています。いうまでもなく、日本は刑法で賭博を禁じています。そのカジノが安倍内閣の成長戦略の目玉になっているのは驚きであります。
 すでに日本は、国民が1年間に5兆6000億円も賭博でまけるギャンブル大国になっています。カジノ世界一のマカオの市場規模2兆6800億円を上回る規模です。日本ではギャンブル依存症患者が、成人男性の9.6%、女性の1.6%にあたる560万人にのぼるという調査結果が厚生労働省から発表されています。同様の手法でおこなわれた諸外国の調査結果でほとんどの国が1%前後なのに対して、日本の数字は異常な高さです。
 日本がお手本にしようとしているシンガポールでも大変な問題になっています。2010年に二つの巨大なカジノが開業しましたが、自分でギャンブルをやめられず、カジノ入場禁止リストへの登録を自己申告する人が急増し20万人を超え、自己破産も増えているといいます。
 また、韓国はカジノが17か所あり、ほとんどが外国人専用ですが、1か所だけ江原(カンウオン)ランドでは韓国人も利用できるようになっています。かつての炭鉱の町がさびれた山の中にできたカジノでホテル、スキー場、ゴルフ場なども併設している複合型観光施設です。この1か所だけで韓国のカジノ売上の半分以上を占めているカジノの中心です。ここの様子が先週、開催された日本弁護士連合会主催のシンポジウムで報告され、その内容は驚きでした。複合型カジノとは位置付けられているものの、ホテルでは他の客は調査団一行以外にほとんど見かけなかった、ところがカジノでは韓国人むけの席、3,500はほぼ満杯という状態で、複合型とは名ばかりになっています。また、周辺では質屋がずらりと大きな看板をかけてならんでおり、車専門の質屋もあります。これは大半の客がソウルからカジノまで車でやってきて、負けたら車を質屋にいれ一発逆転にかけるそうです。最高時には4,000人ものカジノホームレスを生んだといわれるのがこの質屋街です。
 このような依存症問題だけでなく、そもそもカジノによる経済成長ということ自体に疑問符がつきはじめています。
 カジノ先進国のアメリカでも、ラスベガスとともにカジノによる繁栄の象徴であったアトランティックシティーでは、ニューヨークにできた大型カジノのあおりをうけて今年になってつぎつぎ破たんしています。
 安倍政権も、アジアの富裕層を日本のカジノに取り込もうと目論んでいますが、来年、韓国チェジュ島に大型カジノがオープン予定で、外国人観光客からごっそり儲けようというシンガポールやマカオのカジノのようにはいかなくなっています。
 以上のようなことを考えれば、カジノさえつくれば成長できるというのは大きな誤りだと私は思います。
 そんな状況もふまえ、日本弁護士連合会からは5月にカジノ推進法案に反対の意見書が発表され、その後、各地の弁護士会も反対の声を上げ始めています。
 そこで知事にうかがいます。
 なぜこれまで刑法で賭博が禁じられてきたのでしょうか、なぜ今回、県がカジノを解禁することを求めるのか、解禁されたときの弊害をどのように考えているのか知事の答弁をお願いします。

《答弁》 仁坂知事
 刑法上賭博等が禁止されているのは、「賭博行為が、勤労その他の正当な原因によらず、単なる偶然の事情によって財物を獲得しようとするものであり、国民の射幸心を助長して、勤労の美風を害するとともに、副次的には犯罪を誘発し、さらには国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれがあるため」、最高裁のこれは判例でございますけども、大体それで説明をされてるわけでございます。従って、法律でこういう場合はこういう風にコントロールして良かろうということで、いくつかの法律がありますが、それ以外は禁止ということになるわけです。
 カジノ解禁にあたっては、一番やっぱり心配されるのはギャンブル依存症の方が増えないか、ということは、議員がご指摘になったとおりですが、その他に、青少年に悪い影響を与えないか、あるいは犯罪組織の資金源にならないか、などの問題が懸念されると思います。これらの問題は、上手に隔離する、それとともにきちんと管理をすることで克服できるんではないかと考えております。
 ご指摘の地方型IRのカジノ、これはですね、ヨーロッパの各都市で結構、まあ静かな環境の下で営業しているのを私は沢山知っております。
 カジノを含むIRには、経済波及効果や雇用創出効果が期待でき、地域活性化につながる有効な手段の一つと考えているところでありまして、国における法制化の動向を見きわめつつ、引き続き、県民の方々の理解など、誘致に向けての諸条件の状況を踏まえながら取り組んでまいりたいと思います。
 ただ、あの、現在のところ国会に提出されている法律案はですね、一から大規模に全部作ってしまう、ということをどうも予定しているんじゃないかなという風に条文上読めるようなものでございまして、これではですね、ちょっと和歌山もなかなか難しいかなという風に思います。で、先ほどの様な全体の中で少しこの可能性も広げてもらいたい、というのがですね、第一の前提になります。

《意見》高田由一 県議
 ヨーロッパ型の静かなカジノを見てきたというお話しですが、そのヨーロッパにいわゆるラスベガス型の大きなカジノが進出をしようとして、ヨーロッパではそれはもうあかんということで断られたということも聞いております。
 カジノというのはやはり博打で、カジノが発展するということはお客の大半が負けつづけるということがなければなりたちません。負けるから発展する、お客が勝つ方が多ければカジノはやる意味がないわけです。私の地元観光地白浜を考えるなら、いまホテルや旅館に泊まっても外の飲食店やおみやげもんやさんでなかなか買い物してくれない、そんな状況です。もし、カジノができて観光にきたお客さんのほとんどがカジノで負けたらいままでより以上におみやげも買ってくれなくなるのは目に見えています。カジノは栄えても周辺はほろびる例が、実際海外では出ています。

 そのようなことを考えるなら、私は、地方型も含めてカジノの合法化には反対だということを表明しておきます。


2.消費税増税の県経済への影響
《質問》高田由一 県議
 消費税増税の和歌山県経済への影響についてうかがいます。
 内閣府が9月に発表した4~6月期の国内総生産改定値では、前期比でマイナス7.1%(年率)となり東日本大震災のときのマイナス6.9%を上回る落ち込みとなりました。国内総生産は国内の経済活動の大きさを金額でしめしたもので、それが減るということはそれだけ経済活動が縮小しているということです。とくに、GDPの6割をしめる家計消費は、実質19%(年率)も減少しました。これは過去20年間で最悪で、戦後最悪を記録した第1次石油ショック(1974年)に匹敵するものです。この家計消費の落ち込みが、GDP全体を大きく押し下げた原因といわれています。
 安倍政権は想定内と繰り返していますが、増税前の駆け込み需要を差し引いても10%以上のマイナスであり、単なる反動減でないことはあきらかです。
 なぜ、これほど家計消費が落ち込んだのか。賃金が増えないのに円安で物価が上がり、実質賃金は減少してきました。そこに消費税増税による物価上昇が追い打ちをかけ実質賃金は4月以降、3%を超える大幅減少で、12か月連続で下落を続けています。
 消費税増税の影響がこれほど激しく表れるということは、国民生活が相当疲弊していることをしめしていると思います。
(1)県内の経済状況
 そこで、和歌山県の各種経済指標では消費税増税の影響がどのようにあらわれているでしょうか。商工観光労働部長にうかがいます。

《答弁》 商工観光労働部長
 経済指標については、消費税増税の影響だけでなく、天候や為替相場の動きなど様々な要因により変動するものでありますが、直近の指標の主なものを見ますと、まず、生産・雇用・消費など、あらゆる経済活動の中でもより景気の動きを敏感に反映するいくつかの指標を総合的に判断する景気動向指数では、5月に4か月ぶりに前月を上回り、100.0となっております。
 次に、生産動向について、6月の鉱工業生産指数の速報値では、104.6となり、2か月ぶりに前月を下回りましたが、機械、化学分野が好調なため、全国数値と比べても高い状態を維持しています。
 また、6月の公共工事請負契約額は、255億円であり、2か月連続で前年を下回ったものの、24年度以降は災害復旧や国体関連事業のため、高い水準が続いております。
 さらに、消費動向について、大型小売店販売額では、3月に消費税増税前の駆け込み需要により、前年と比べ10.7%増の110億円と増加しましたが、4月以降は、その反動で3か月連続で前年を下回っております。
 一方、7月の新車登録台数は、1,863台と平年並みとなり、4か月ぶりに前年を上回りました。同様に、7月の新設住宅着工戸数は、マンション着工もあり、577戸という高い数値となり、4か月ぶりに前年を上回っております。
 最後に、雇用動向について、有効求人倍率では、4月に21年6か月ぶりに1.0倍を超え、その後も1倍を超える状況が続いております。
 また、物価上昇率を考慮した実質賃金指数を見ますと、賃金が上がっているものの、物価上昇に追いついていないことにより、4月以降、前年同月比でマイナスに転じており、6月はマイナス3.7%となっているところであります。

(2)再増税について
《質問》高田由一 県議
 このような状況のなかで、来年10月の再増税などありえないと考えますが、知事の所見をおきかせください。

《答弁》 仁坂知事
 消費税の再増税を行う場合は、景気に悪影響を及ぼさないか心配でございます。増税がなされなかった場合は、じゃあ万々歳かというと、我が国の財政運営に対する信頼が失われて、国債の信認が低下して、ひいては金融市場および経済に影響を与える、これがまた心配でございます。
 また、増税分は、社会保障と税の一体改革のもと、福祉、医療、少子化対策等の社会保障制度を担う財源として充てられることとなっているので、増税をしなかった時、これら福祉や社会保障の維持可能性がどうなるのか、ということも心配をする必要があります。
 一つのことだけを言って、騒いでるというのは責任のある政府ではありません。したがって、消費税の再増税という大問題は、これら全てのことを考慮して、12月に首相が最終判断するということになっており、政府において適切に判断されることを期待したいと、今はそう思います。


3.県防災訓練への米軍オスプレイ参加について
《質問》高田由一県議
 つぎに、県防災訓練への米軍オスプレイ参加についてうかがいます。
 この間、米軍オスプレイはその訓練範囲を日本全国に広げています。
 東京の横田基地では7、8月と訓練で飛来、9月には「日米友好祭」が開かれ、オスプレイ2機が一般むけに公開されました。地元の福生市長はこれまでオスプレイの展示について米軍に行わないよう求めており、市議会でも遺憾を表明しました。
 神奈川県の厚木基地では8月18日から25日の長期にわたり駐留して、自衛隊の演習場への拠点になりました。
 このようにオスプレイは7月以降、東日本を中心に訓練や展示を行っています。横田や厚木など東日本の各基地と岩国を結ぶ線上にはオレンジルートがあり、高知県では東日本からの帰り道と思われるオスプレイが安芸市や高知市上空を通過していることが目撃され新聞報道もされています。和歌山県も今後、上空通過の可能性は十分あります。
 また、佐賀空港を沖縄の米軍オスプレイの訓練拠点として活用する動きが突然、政府によって発表されました。また、陸上自衛隊のほうも今後、5年間かけて17機導入する予定のオスプレイを配備する方針です。佐賀空港を建設する当時に地元漁協とかわした「県は空港を自衛隊と共用するような考えをもっていない」との約束を反故にしてまで推進しようとしています。佐賀空港が候補地に浮上した背景には、空港利用者数低迷による財政難があるとも言われています。
 防衛相が佐賀県に要請した計画ではオスプレイ17機に加えて、50機のヘリなども移駐することになっています。もしこのとおりになれば、佐賀空港は民間機が年間約5,000回の利用に対し、軍用機が年間約12,000回と軍用機主体の空港になってしまいます。
 そのような状況のなか、10月の和歌山県防災訓練を迎えようとしています。
 私が6月議会で、防災訓練という名目で米軍が自衛隊の一部として活動するという形態をとるなら、日米安保条約や日米地位協定での取り決めの枠外で全国どこででも訓練ができることになると指摘しました。和歌山県全体がオスプレイの恒常的な訓練場になりはしないかと心配です。
 それにくわえて、佐賀空港のように恒常的な自衛隊基地にしようとする可能性さえ心配されてきました。
(1)南紀白浜空港の自衛隊との共用化の可能性
 そこでうかがいます。南紀白浜空港が将来、自衛隊との共用空港になることはありませんか。自衛隊もオスプレイを購入するといっていますが、それが配備されることはありませんか。仮にそうした要請が政府からあったとき、知事としてどう対処されますか。

《答弁》 仁坂知事
 白浜空港を自衛隊との共用空港として利用するという話も、オスプレイを配備するという話もどこからも出てきておりませんし、全く聞いたこともありません。
 「誰がそんなことを言っているのか」というのを私は聞きたい。
 それから、地政学的な合理性から言って、政府からそのような要請があるとは、私は考えられません。そういうことを言うのであれば、どんな根拠でそんな話になるんだろうか、どんな合理性があって言ってきそうなのか、ということについて、まず説明を全ての人がすべきじゃないかと、こんなふうに思います。

(2)防災体制への米軍の位置付けと憲法
《質問》高田由一 県議
 私は6月議会でも発言しましたが、米軍の災害派遣については、自衛隊の計画のなかでも必ずしも予定どおりの派遣がされるものではないことがはっきりしています。私は、米軍を最初から県の防災体制に組み込むようなやり方は、実際の災害時の対応力をどう整備するかという課題を見えにくくするのではと思っています。また、根本的には軍隊はもたないと規定した日本国憲法の規定と矛盾するのではないかと思いますが、知事の考えをお聞かせください。

《答弁》 知事
 大規模災害が発生した場合、自衛隊に対して我々は、支援要請を行います。
 東日本大震災でも、米軍が支援活動を行っており、本県でも米軍と協力して支援活動を行うことは、当然あり得ると思います。
 在日米軍の災害支援活動は、一人でも多くの命を救うというような人道上の活動であって、政府が米国以外の国に支援要請を行って、その国の軍隊が救援に来てくれたときも、私は喜んで支援を受け入れます。
 私の使命は、県民の命を一人でも多く助けることであリまして、助けてくれる者が誰かなどとは言っておられません。
 先程、配備計画とかおっしゃいましたけれども、そういう、よそからの援助を全部断って、自前だけで動員する、そういう能力を被災者の数やあるいは被害を受けて困っている人が上回ったら、一体どうするのですか。というようなことを私は思っております。
 それで、こういうことが、何故憲法の規定と矛盾するのか、まず、じっくり聞かしてもらいたい。そんなふうに思います。

《意見》高田由一 県議
 一人でも多くの命を救うための人道支援だと米軍がいっているし、政府もいっているわけですが、これまで基地があることによって起こした事故や事件で何人の日本人の命を奪ってきたでしょうか。沖縄県民はそれを身をもって知っているから、県民あげての反対運動になっていると思います。
 日米安保条約や防衛協力のガイドラインに定められたものでもない米軍の災害派遣について、県の防災訓練で率先して活用することは、私は憲法の規定と矛盾すると思います。

《質問》高田由一 県議
 つぎに、危機管理監に防災訓練について具体的にうかがいます。
(3)オスプレイの事故率
 これまで政府は、オスプレイの事故率は海兵隊の平均より低い、安全だと言ってきましたが、これは2012年時点の数字です。その後もクラスAの重大事故はおきています。県が防災訓練で活用するというなら、現時点でのオスプレイの事故率を把握していますか。また、把握してないなら公表するよう防衛省や米軍に求めるべきではないでしょうか。答弁をお願いします。

《答弁》 危機管理監
 オスプレイの事故率につきましては、平成24年9月に防衛省が公表しております。また、航空安全や事故調査の専門家からなる防衛省の分析評価チームの検証においても、安全な航空機として確認されたものであります。
 防衛省に確認をいたしましたところ、米軍に再度事故率の算出を求めるということはないとのことです。
 なお、県民の中にはオスプレイの安全性に不安を持っている方もいるため、今後も丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。

(4)飛行ルートと安全配慮
《質問》高田由一 県議
 次の質問です。今回は県の防災訓練参加ということですから、オスプレイがどのような飛行経路をとるのか、飛行ルートそのものであるフライトプランを県でも把握する必要があると思います。
 昨年10月、自衛隊と米軍は滋賀県饗庭野演習場でオスプレイを使った共同訓練をやりましたが、当初、日本海を飛んでくるといっていたのが、人口密集地の大阪や京都上空を飛んできました。そのうえ、滋賀県知事が琵琶湖上空は飛ばないでほしいと要請していたことも守ってもらえませんでした。小学校のうえを飛んだことを地元住民は目撃しています。
 また、沖縄ではオスプレイ配備にあたっての約束がことごとく破られているというのは地元では常識になっています。「通常、米軍の施設及び区域内においてのみ垂直離着陸モードで飛行し、転換モードで飛行する時間をできる限り限定する」という約束は守られていません。午後10時以降は制限されるはずの夜間訓練もやり放題になって、付近の住民から夜寝られないとの苦情がでています。その騒音レベルも80デシベルを超えているという報道です。地下鉄の車内なみです。このように米軍は約束を守りません。
 今回の県防災訓練で南紀白浜空港を使うなら、白良浜側の海上から着陸しようとすると住宅地上空や旅館、ホテルの上、病院の上などを飛ぶことになり、たいへん心配です。
 オスプレイが訓練で飛来する予定だった高知県では、オスプレイが県の要請どおり安全事項を守っているかどうか、県職員を同乗させて確認をとる手はずをとることになっていました。そこで、和歌山県の対応についてうかがいます。
 訓練にあたって、オスプレイの飛行ルートの設定もふくめて住民への安全配慮はどのように米軍に要請されていますか。答弁をお願いします。

《答弁》 危機管理監
 先月、28日、29日ですが、米軍、それから防衛省・自衛隊、県の3者で安全確認等のために、白浜、串本の現地確認を行ったところです。
 その際に私どもの方から米軍の担当者に対し、県内での飛行ルートは洋上を利用し、住宅地等の上空は避けることなどを要請しました。
 その際、米軍からは「応じます」という回答を直接頂いております。

【日米合同委員会合意】
「米国政府は,周辺コミュニティへの影響が最小限になるよう飛行経路を設定する。この目的のため,進入及び出発経路は,できる限り学校や病院を含む人口密集地域上空を避けるよう設定する。また,移動の際には,可能な限り水上を飛行する。」


4.殿山ダムの水利権更新にあたって
《質問》高田由一 県議
 殿山ダムの水利権更新にあたってうかがいます。
 さる8月、地元住民の意向をふまえて白浜町から関西電力に対し要望書が提出されました。その内容をふまえての質問ですのでよろしくお願いします。
(1)ダムの耐震検査
 とくに心配される南海トラフの巨大地震との関係でおたずねします。
 白浜町からは「ダム本体と堰堤両端の岩盤の強度、耐震などを和歌山県や第3者機関と協力して客観的に検証してほしい」という要望が提出されています。この内容についてはすでに平成23年の9月議会で私が取り上げましたが、そのときの知事の答弁は、河田先生らによるとダムは安全だと言われているのでこれを支持するという内容でした。私は河田先生の見解を否定するつもりはありませんが、先日、視察にいった高知県ではまず県営ダムのうち重要な2か所について国土交通省がつくったマニュアル「大規模地震に対するダムの耐震性能照査指針()・同解説(平成17年3月)」に基づいて耐震検査を行い、安全性を検証しました。この手法は重力ダムだけでなくアーチ式ダムにも適用が可能で、私はぜひ関西電力と協力して、殿山ダムの耐震検査をすることを求めたいと思いますが県土整備部長の答弁をお願いします。

《答弁》 県土整備部長
 殿山ダムにつきましては、本年4月に知事から、南海トラフ巨大地震を含めて、耐震性能照査の結果を提出させること、提出された資料に対して県でも検証することなどの指示を受け、関西電力に対しても検討を要請してきました。
 このうちダムの耐震性につきましては、これまでも和歌山県地震・防災対策総点検専門家会議において、コンクリートダムは地震に対して十分安全性を有しているとの発言があったところです。
 そして今回、関西電力からは、「大規模地震に対するダム耐震性能照査指針(案)」に基づいて、東南海・南海地震及び南海トラフ巨大地震を対象とした耐震性能照査を行い、その結果、耐震性を有しているとの報告を受けました。
 現在、県では、関西電力に対して、耐震性能照査に用いたデータや照査方法の詳細について問い合わせを行い、その内容を鋭意検証しているところです。

(2)ダム決壊時の浸水想定
《質問》高田由一 県議
 ダムが地震などによって決壊したときのシミュレーションをやってほしいという要望もあわせて提出されています。
 すでに、農林水産部が所管するため池では決壊したときのシミュレーションが実施され、どれくらいの時間でどこまで浸水するかがハザードマップでわかるようになっています。コンクリート式のダムは安全性は高いと思いますが、南海トラフ地震も起こりうる最悪のケースを想定して対策をおこなっています。そうならばダムについても最悪の場合を想定して対応するべきではないかと思います。
 実際、1999年の台湾の地震では石岡ダム、現地名はなんと呼ぶか知りませんが、その重力式コンクリートダムの一部が決壊しています。こういう事例もありますし、古くは1963年のイタリア北部のバイヨントダムの地すべりによるダム津波の例では、ダム本体は大丈夫だったもののダム湖に大量の土砂が滑り落ちたためにダム本体のうえを100メートルの高さで水が乗り越えたと言われ、下流で約2600人の犠牲者がでました。
 こうしたことも考えるなら、殿山ダムでもダム決壊時の浸水想定は必要ではなでしょうか。県土整備部長の答弁をお願いします。

《答弁》 県土整備部長
 殿山ダムについては、南海トラフ巨大地震に対しても、耐震性を有しているとの報告が、先程述べましたように関西電力からあったところであり、現在、県としてもその内容を鋭意照査しているところです。
 また、東北地方太平洋沖地震や兵庫県南部地震など、大規模な地震においても、ダムが決壊するなど安全性を脅かすような報告はなされておりません。
 このような状況を踏まえ、ダムが決壊することは想定されておりませんので、現在、決壊した場合の被害想定を行うことは考えておりません。

《要望》高田由一 県議
 この問題も、ずいぶんながいこと議論もしてきたわけですが、ぜひ地元住民の要望もくんでいただきたいと思います。
 ダムの問題でいろいろ答弁をいただきましたが、ダムによる水力発電は自然エネルギーといっても、自然環境への負担と下流への危険性を考えるなら私は将来、撤去することを展望にいれていまのうちから対応を考えていくべきだと考えています。また、地域住民からは一度、知事とこの問題で直接お話しがしたいという要望もうかがっております。そういう話があったときには、知事にもぜひお時間をとっていただけるよう私からも要望します。


(3)県道日置川大塔線の改修
 最後に、県道日置川大塔線の改修についてうかがいます。(資料)
 日置川大塔線は日置川の河口部分と上流を結ぶ唯一の県道で、沿線の住民にとっては生活道路であるとともに、いざというときの避難路として、まさに命の道であります。しかし、現実には河川の増水によって必ず浸水する区間があり、集落が孤立する事態もたびたび起こっています。田野井地区から下流部分の狭隘区間や線形の悪い部分の改修についてはかなり見通しがたってきましたが、中流から上流の浸水が多発する区間では道路そのものをかさ上げする必要があると考えます。
 このことも踏まえた県道日置川大塔線の改修についてどのように考えておられるのか、県土整備部長の答弁をお願いします。

《答弁》 県土整備部長
 県道日置川大塔(ひきがわおおとう)線につきましては、現在、白浜町日置から大古(おおふる)に至る区間において、平成23年度から歩道設置に着手しており、用地取得及び工事を進めております。
 また、平成24年度から、白浜町矢田(やた)地内及び口ヶ谷(くちがたに)地内におきまして現道拡幅に着手しており、現在、矢田地内では設計が完了し、物件調査を行っております。口ヶ谷地内では用地取得が完了し、一部工事に着手しております。
 その他の区間につきましては、交通の支障となる所、冠水する所などあることは承知しておりますが、用地の協力が得られるのであれば、現在事業中の箇所の進捗を見ながら、対応を検討してまいりたいと考えております。

《要望》高田由一 県議
 ぜひ改修をよろしくお願いしたいとともに、この道も地域の幹線道路ですので、将来的には丈夫な道に付け替えていただくこともご検討いただければと考えます。


5.木材利用の推進
《質問》高田由一 県議
 最後に、木材利用の推進についてうかがいます。
(1)木質バイオマスの利用について(資料)
 高知県における、木質バイオマス利用の取り組みについて紹介させていただきます。
 高知県の担当者のお話でまず印象に残ったのは、林業本来の役割である木材生産の明確な目標をもっているということです。原木生産量は、平成22年度で40万立方メートルを、10年後の平成33年には81万に増やす計画です。目標だけではなしに、昨年からすでに大型の製材工場が稼働して、この3年で10万立方メートルの原木供給を増やすという、立派な実績もつくっています。
 また、地域でのエネルギー循環と資金の循環ということを強調されていました。これは、燃料代として重油など化石燃料を購入すればそのままそれは県外への資金流出になってしまうわけですが、木質バイオマスを利用すれば地域内で資金が循環するという発想です。その結果、これまでのとりくみだけでも年間重油換算で4,500キロリットルを削減し、金額にして4億5千万円の燃料代の域外流出を抑えたと推定しています。
 平成21年からは、森林整備加速化基金などを利用して木質バイオマスボイラーの利用を促進し、208台のバイオマスボイラーが導入されています。そのほとんどが木質ペレットを利用するもので、園芸施設ではすでに169台の導入実績があります。
 担当の方によると、最初の試験的な導入時にはほぼ100%の補助を出していたようですが、いまは2分の1の補助でも化石燃料が高いので普及がすすんでおり、工場などの製造業のボイラーでもいま導入するのはバイオマスボイラーがほとんどではないかと言っておられました。
 高知県産の原料が、他府県のバイオマス発電などへ買われることも多く、すでに材料不足が起きていて、次元のちがう悩みがあるようです。
 さらに高知では、来年には2か所のバイオマス発電が稼働予定で、ここで18万トンの木質バイオマスが利用される予定です。このように総合的に熱心に取り組まれています。
 そこで、和歌山県内の状況についてうかがいます。県全体の木質バイオマス利用施設数、そこでの利用量はこの間どうなってきているでしょうか。また、木質バイオマス利用の実証試験として木質パウダーをつくってボイラーに活用する取り組みをされていますが、これまでの状況と今後の課題について答弁をお願いします。

《答弁》 商工観光労働部長
 木質バイオマス利用施設につきましては、平成25年度末時点で、温泉の加温や製材の乾燥など29施設あり、毎年増えている状況であります。使用量も施設の増加に伴いまして、増加しており、年間、約1万4千トンが利用されております。
 木質パウダーにつきましては、県内2箇所で製造しており、製造量は増加傾向にありますが、うち一施設については、原料である未利用材やおが粉の入手が困難になってきていることから樹皮との混合の試験製造を行っており、今後、製造コストの増加を懸念されております。
 また、利用状況としましては、温浴施設4施設12基のボイラーで使用されており、使用量も増加傾向でありますが、利便性を高めるために更なる設備の改善を検討されております。
 新たな利用方法としまして、平成24年度から25年度にかけて農業ハウスでの実証試験を行い事業性を検討しましたが、技術面、コスト面で課題があり実用化に至っていない状況であります。
 今後とも、木質バイオマスにつきましては、パウダー、薪、チップなど多様な形での熱利用を進めるとともに木質バイオマス発電も視野に入れ取組を進めてまいります。

《要望》高田由一 県議
 木質パウダーをつくって、それを専用のボイラーで燃やすというのはなかなか特殊な技術で、普及に苦労をされているのもわかります。いま部長が言われたように、薪やチップなど多様な形態でしかも県内の中小業者が開発に参加しやすい、どっちかというとローテクな分野で普及を図ることが、大きく利用を伸ばし関連産業をも元気づけることにつながると思います。
 たとえばいま普及が進んできている薪を直接燃やす薪ボイラーというのもありますが、これなんかは災害時に暖房にも使えるし、お湯もわかせるなど普及のメリットは大きいものがあります。こうした分野への活用もふくめて検討していただけるよう要望して次の質問に移ります。

(2)新しい集成材CLTについて(資料)
《質問》高田由一 県議
 CLТとはクロスラミネイテッドティンバーの略称で、ひき板の繊維方向が層ごとに直行するように重ねて接着したパネルのことで集成材のひとつです。1990年代からヨーロッパで開発や実用化がされてきた新しい木質構造材料としていま注目されています。その特徴は大きな厚みのあるパネルで、分厚い材料全体で構造をささえるため、柱などなしで強く安定した性能を発揮するといわれています。ビルのように8階建ての建物を短期間で建設できます。地震や火災にも強く、またパネル工法のため現場での施工が容易でスピーディーです。
 日本政府も木材の需要を大きく伸ばすものとして期待しており、現在、国交省でCLТ建築物の建築基準を作成中で平成28年度にはできると聞いています。和歌山県でも出足はやく取り組んで、実用化の際に県産材を活用できるようにしておかなくてはなりません。今後の推進についての考えをお聞かせください。

《答弁》 農林水産部長
 議員ご指摘のように、CLTは厚みのある大判の木質パネルの特徴を活かし、中・大規模の建築物に使用できる構造材として、海外では欧米を中心に急速に普及が進んでいます。
 国内では、平成26年1月に「直交集成板の日本農林規格」が施行されたところですが、CLTを一般的な構造材として普及するためには、建築基準の整備等が必要となることから、国土交通省と林野庁が連携して強度データの収集と設計方法の実証実験に取り組んでいるところです。
 このようにCLTには大きな可能性があり、紀州材の新たな需要先として大いに期待できるものと考えております。
 本県では現在、林業振興のために紀州材の増産と生産コストの縮減に取り組んでいるところですが、今後CLTに関する国や業界の動向を注視しつつ、更にこうした取組を積極的に進め、県内の木材産業関係者などと連携して、CLTを含めた紀州材の活用について、研究してまいりたいと考えます。

《要望》高田由一 県議
 ぜひ、よろしくお願いして、私の一般質問を終わらせていただきます。

西牟婁議員団のHP開設